喫煙か健康か

タバコの歴史　　1492年、新大陸発見を目指していたコロンブスの一行が、カリブ海に浮かぶ島々で先住民が葉を巻いて火をつけて吸う奇妙な光景に会い、みやげとしてそれを持ち帰った｡その後瞬く間にヨーロッパ全土にたばこは広まり、1599年に南蛮貿易船に乗って、遠く日本まで持ち込まれたそうです｡

タバコの有害性　　まず思い浮かぶのが「がん」ですが、喉頭がんがダントツ。次いで肺がん、咽頭がんと続きます｡その他のものも非喫煙者より何倍も多くなります｡また、気管支炎、ぜんそくなどの呼吸器系の病気も発症します｡

　もっと深刻なのが循環器系の病気です｡虚血性心疾患（心筋梗塞・狭心症）、大動脈瘤、抹消血管閉塞病、脳血栓、くも膜下出血など、血管の閉塞や決壊が起こります｡

　高血圧症や高脂血症が加わると、危険は相乗的に高まります｡女性は経口避妊薬（ピル）との相乗作用で危険性が著しく高まります｡

交通事故死の10倍以上　　喫煙が原因で死亡する人は、日本では年間11万人です。（受動喫煙も含む）交通事故死が年間1万人ですから深刻です｡

　有害性についてわかっていながら吸うのであれば、これは本人が承知している訳ですから、どうすることも出来ません｡

問題は一酸化炭素　　問題になるのは一緒に吸い込む一酸化炭素です。本数が増えたり深く吸い込んだりすると、一酸化炭素の摂取量は増加します。体内に入ると赤血球のヘモグロビンと強力に結びついて、血液の酸素運搬能力を妨げます｡

　ニコチンの吸収と合わせ、心拍数が増加し、抹消血管が収縮する為、血圧（特に最大血圧）が一時的に上昇します｡

受動喫煙こそがあぶないのだ　　喫煙者が吸う煙は「主流煙」、たばこから立ち上がる煙は「副流煙」、吸って吐き出した煙を混ぜて「環境たばこ煙」という。

　「副流煙」には主流煙の何倍もの有害物質が含まれています｡

　　　　ニコチン・タール　　　　約3倍

　　　　刺激の強いアンモニア約50倍

　　　　発がん性物質には100倍以上のものもある

これらの影響は常習者よりも、吸ってない人に強い反応が出るのです｡

たばこ会社は決して周囲の人の健康を考えたたばこは作ってくれない。

　たばこを吸わない人が、いろいろな場所で自分の意志とは関係なく、たばこの煙を吸わされることを受動喫煙といいます。これの方が最近問題になっています。単に「においがいやだ」では済まされません!

和解金42兆円　　アメリカでは州政府とたばこ関連各社との訴訟で、メーカー側が、今後25年間に総額42兆円もの和解金を支払うことで合意した｡自動販売機の禁止、職場や公共の場所での喫煙禁止なども盛り込まれている｡

　現在、個人訴訟300件、集団訴訟20件が係争中です｡今、各国でもたばこ関連の裁判がいくつも行われています｡

マイルド・ライトはごまかし　　ヨーロッパでは、たばこの名前に「マイルド」とか「ライト」などの消費者を錯覚させるようなものは禁止となります。また、パッケージの半分以上を使って喫煙の健康被害を明記するようになります。日本の「健康のため吸いすぎに注意しましょう」とは大違い！日本の厚生省も頑張って欲しいものです。

わかっちゃいるけどやめられない？　　たばこには麻薬と同じ「習慣性」があるので、常習者は自分の意志ではなかなか止められない｡これは意志が弱いとかではなく、りっぱな「病気」なので、病院へ行きましょう!　かなりの成功率があります。

　自分の健康はもちろん、周りの人の健康のためにも、ぜひ、禁煙に取り組んで欲しいものです。

Mさんが倒れた　　6月2日、職場のMさんが自宅で倒れた｡くも膜下出血である。大手術のすえ幸いにも一命はとりとめたが、今も集中治療室に入っている｡Mさんはすごくストレスのたまる役職におり、なおかつたばこを吸っていた。以前からたばこは止めたほうがいいよと個人的に話していただけに、ショックでした。

　まだ４０代半ばなので、子供さんもお金のかかるさかりでしょうに、長い闘病生活を余儀なくされることになりました｡一日も早い職場復帰を願うばかりです｡

追申　Ｍさんは9月に職場復帰されました。ホッ！　もちろん禁煙されています。

　私も、7年前までは一日20本吸っていましたが、家族のために止めました｡（1年かかったけど・・・）　Mさんのことがあって、一人でも多くの方が禁煙してくれればとの思いでこの雑記を書きました｡

　　　　健康は金で買えない宝物です。

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